名古屋に本社を置く中堅証券会社「東海東京証券」が富裕層向けサロンを展開し、好評を得ている。
超大手の証券会社ではないが、このサロンが利用できる利点はまずまず大きく、私も入会している。
オルグドールは結構おすすめできるサービスなので簡単にその内容を紹介する。
オルクドールの入会条件
オルクドールは東海東京証券に1億円以上預けると入会できる。
サロンは東京に1か所(日本橋、青山)、名古屋に1か所(名古屋駅前)の3箇所あり、2025年1月時点で会員は3,500人と公表されている。
ネットでは会員数が増えすぎたため、入会条件が3億円になったという記事も見かけたが、少なくとも私が入会した2024年は1億円で、それ以降も入会基準が上がったという話はオルクドール部の担当の方からも聞かない。
1億円の内訳は現金でも株式でも債券でも証券会社に預けられる資産なら何でも良い。証券会社に預けられないとダメなので不動産やビットコインなどは難しい。
また対象はあくまで個人で法人は対象外。自分も最初は法人の方が余剰資金が多かったため法人で入れないかと考えたが、あくまで個人口座で1億以上が入会条件とのことであった。
ただし個人口座をオルクドールに作れば、法人口座もオルクドール部に移管することはでき、一括でオルクドールで管理してもらうことはできる。
実際1億円の資産があったとしてもその全てを現金と投資資産にして証券会社に預けるというのは現実的ではないだろう。そうなると入会者の資産としては2〜3億円以上からになるのではないかと推察される。
会員になると日本橋オルクドールに入館できるカードをもらえるが実際ほとんど使うことはない(忘れても何とかなる)。私も最初は財布に入れていたが今は引き出しの奥深くに眠ってしまっている。
またオルクドールの専用ページにアクセスしてサロンの予定確認や予約ができるようになる他、毎月のイベントスケジュールなどのパンフレットも送られてくるようになる。
オルクドールの利点1:レストラン
オルクドールにはサロンが3箇所ある。オルクドールに入会して一番分かりやすいメリットがこのサロンの利用だろう。
どこのサロンも高級感・特別感がある。最初に入った時はその豪華さにびっくりした。利用者も多くはないため静かに食事を楽しんだり、ゆっくり休んだりができる。
会員とその同伴者しか入れないという特別感も嬉しい。
サロンのメインはレストランだ。
オルクドール日本橋では帝国ホテルと提携した洋食、オルクドール青山では「銀座おのでら」と提携した鮨と「sio」と提携したフレンチが頂ける。オルクドール名古屋もフレンチで名古屋マリオットと提携している。
東京の提携先と比べると名古屋の提携先がやや霞んでしまう感はあるが確かにどこも美味しい。メニューが毎月変わるのも嬉しい。
特記すべきは東海東京証券曰く、これはあくまでも富裕層向けサービスでやっており利益目的ではないため、利益をのせていない価格でいただけることだ。
とは言っても特にディナーの場合、それなりの値段はする。どこも1人15,000円くらいはするので「めちゃ安い!!」とは言えないが、それでも帝国ホテルやおのでら、sioで食べれば1人数万とかするのだろうからやはり安いのだろう。
ランチの場合は3,000〜5,000円くらいで一流の食事を食べられ、確かにお得感があると感じる。
ランチもディナーも全ての店で一通り食べたが、どうしても貧乏性の抜けない私は主にランチで利用することが多い。
ディナーは1人1.5万出せば、超高級店は行けないかもしれないが、それなりに美味しいところらたくさんあるため、どうしても足が遠のいてしまう。ただ、会員制というプライベート感の強い場所での話し合いやお祝い、接待などにはいいかもしれない。
個人的にはオルクドール青山のランチのお寿司が一番おすすめ。1人5,000円とか7,000円で一流店のお寿司を堪能できるのはなかなかアツい。
またサロンにはレストラン以外にも美術品の展示だったり会議室、イベントやセミナーを開催できる部屋、ちょっと小休憩できる場所などもある。
ただ私は美術品のことも全然分からないし、セミナーを開けるような広い交友関係もないので利用したことはない。
またオルクドール日本橋にはバーもあり、いいお酒が原価で安く飲めるそうだ。ただオルクドールは飲食店ではないためバーにしてはありえないくらい早い時間に閉まってしまうようでそこが難点らしい(自分はお酒飲めないので利用したことはなく、詳細は不明)。
これらのサロンの利用がメインになるため、必然的に名古屋と都内に住んでいる富裕層以外にとっては入会価値は大きく下がってしまうだろう。
ちなみにあまりにカジュアルすぎる格好で行くと優しく注意されるので気をつける必要がある。私は何回か注意されている。
営業時間は月から金曜までの平日のみで、土日祝は営業していない。ビジネスビルの中にある事や接待などビジネス目的が意識されているのがあるのであろう。
私はビジネス仲間と食事にいく事はほとんどなく、プライベートでいく事が多いため土日祝がやっていないのは結構残念に感じている。
【2025.7 日本橋ランチ 和洋折衷6,000円】





オルクドールの利点2:債券の豊富さ
ある程度の資産を築いた人は、リスク資産の株式だけでなく、比較的安全性の高い債券にも興味を持つようになる。
最近は証券会社はネット証券が主流でその理由は手数料の安さにある。確かにネット証券と東海東京証券のような対面証券会社で株式を買った場合、手数料は全然違う。数千万の株を買った場合、数十万レベルで違ってくるため、合理的に考えればネット証券で買うのが正解になる。
ただネット証券は債券に関してはそこまでお得ではない。債券は元々いろいろな手数料が内包されてしまっておりブラックボックス的なところが大きいが、ネット証券で買ってもそれは同じだ。かつネット証券では扱っている債券の種類が多くない。
そうなると債券に関して言えばネット証券の優位性が低下し、手数料的には対面証券と同等になる。かつ債券の種類の豊富さでいうと対面証券で買うメリットが高くなるし、後述の証券担保ローンを考えると(証券担保ローンを利用できる)対面証券で買うのが合理的な正解になる。
実際、私も楽天証券やSBI証券でもまだ償還がきていない債券を保有はしているが、最近購入した債券のほとんどは対面証券会社から買っている。
2025年7月現在、米国金利は高止まりではあるものの今後は低下が予想されており、今後は債券ブームはひと段落するかもしれないが債券を買うならオルクドールはおすすめだ。
オルクドールの利点3:証券担保ローン(債券と組み合わせる)
個人的にオルクドールの1番のメリットはこれだと思っている。
証券担保ローンとは今持っている証券を担保にしてお金を借りる方法だ。
例えば1000万の米国債を持っていたとすると、この米国債を担保にして更に600万ほど証券会社から借りることができる。もちろん借りているので利息がかかるが、借りたお金を利息以上で運用できれば更に資産を拡大することができる。
証券担保ローンは少し前にyoutubeなどで多くの投資系YouTuberが紹介し、利用者が増えたためか最近では受け付けてくれなかったり利率が高くなっている証券会社が多い。
しかしオルクドールは、そもそも入会している時点で特別な扱いを受ける事ができるため、証券担保ローンの利用もしやすく、また比較的良い利率で証券担保ローンを利用できる(2025.7時点で1%台後半)。
そしてこの証券担保ローンは債券と相性が非常にいい。
東海東京証券では、担保割合を証券の種類によって分けており、債券は60%、株式は50%まで融資してもらえる。債券の方が安定性が高いため、融資割合も多く取れる。
かつ株式は保有している間に価格が大きく下がるリスクがあるが債券はそのリスクもひく。証券担保ローンは証券を担保にしているのだから、当然その担保の価値が低くなれば、担保割れとなり追加でお金を入れなくてはいけない。株式で証券担保ローンを組むとそう言ったリスクがある。
しかし債券は満期まで保有していれば(その発行元が潰れなければ)100%お金が返ってくることが保証されているため、担保割れが起きにくい。米国債などであれば為替の影響を受けるがそれでも株式ほどの下落は起きにくい。
例えば現時点で米国の優良企業(格付けAA程度)の社債は利率は20年もので5%くらい取れる。これを5,000万買ったとしよう。そうすると利息だけで毎年250万円相当をドルで得ることができ(実際はここから20%ほど税金が引かれる)、アメリカという国が潰れない限りは今後も受け取り続けることができる。超高利回りではないが、アメリカという超大国が破綻するリスクは高くはないため、比較的安全な投資と言える。
ここに証券担保ローンを載せると更に投資効率は高まる。米国社債は60%まで融資してもらえるため、更に3000万のお金を借りることができる。それでまた利回り5%の米国社債を買うと、追加で毎年150万円相当をドルでもらえるようになる。ここから証券担保ローンの利息を払う必要があるが、現時点では1.7%程度であるため、約50万円ほどだ。利息を引いても利益が100万円も毎年増えてしまう。
もちろんリスクのない投資方法ではないが、上手に使えば安全に資産を増やすことができる。
この証券担保ローンを使えるのは東海東京証券、そしてオルクドールの大きな魅力の一つだ。
オルクドールに入るとJCBザ・クラスが無料で持てる?
オルクドールの少し前のサービスとして、入会すると年会費5万円のブラックカード【JCB ザ・クラス】を無料で発行できるというのがあったらしい。
しかしこちら、少なくとも2024年以降はサービス停止しているとのことであった。2025年時点でも再開はしていない。
JCBザ・クラスはブラックカードの位置付けだが、年会費5万程度なので、実質的にはプラチナカードクラスのカード。しかしJCBの最上位だけあって、人によってはなかなか評価の高いカードだ。
特にディズニーやUSJが好きな方にはお勧めできる。JCBのスポンサーラウンジを利用できるし、ミラコスタやディズニーランドホテルのスイートも割引価格で泊まれるらしい。
もし無料発行が再開したらぜひ申し込みたいと思っているがオルクドールの会員数も増え続けているため、再開の可能性は低いのではないかと感じている。