税金の支払いが多い経営者が数百万ノーリスクで得する方法

私は法人関係の税金をクレジットカードで支払う事が多い。

具体的には、

・源泉所得税
・住民税
・法人税

などが主要なところだ。

うちの場合、小さい会社なので、

・源泉所得税:月480万ほど
・住民税  :月60万ほど
・法人税  :年1,500~2,000万ほど

となっている。合計で年間8,000万ほどの支払いになる。

8,000万と聞くとすごい額に見えるかもしれないが、従業員30〜50名程度の零細企業で、従業員が数百人、数千人という大手会社と比べれば微々たる人数だ。

でもこんな小さな会社でもこれだけの税金が毎年発生する。そして税金の支払い方1つで結構違いが出るものなのだ。

クレジットカードを利用するだけで収益が得られる!?

クレジットカードを使うと、カードによって0.5~2%程度の還元を得られる。そのため、支払を出来る限りクレジット決済をするようにして、ポイントをためている方もいらっしゃるのではないかと思う。

そういった日常的な支払いをクレジット決済にするのもいいのだが、税金は支払う額が大きいため得られるポイントも大きい。

例えば8,000万を還元率1.5%のカードで支払ったら、得られる還元額は127.5万だ。税金をカードで払うだけで毎年127.5万もらえるとなればこれはすごい不労所得ではないだろうか。クレジットカードの年会費が仮に10万、20万と高額でも十分元を取れる事となる。

小さなうちの会社レベルではなく、例えばうちの4倍くらいの規模なら単純計算でクレジット決済だけで年収500万を稼げる事になる。家族が普通に生活できてしまう金額がただ支払いをクレジット決済にするだけで得られてしまうのだ。

これってすごいことだ。

ある程度会社に売り上げが出て、従業員を擁するようになると経営者はこの事に気づいてしまう。

クレジットカードで税金を払うと損をする事も

しかし実はそう簡単にはいかない。

税金は支払額が高くなるため、多くのクレジットカードは税金の支払いに対しては付与するポイントを半減させている。さらにクレジットカードで税金を払う場合、1万円あたり83円(0.83%)ほどの手数料がかかる。

例えばよくある還元率1%のクレジットカードで税金を払い、それが税金は還元率半分になるカードだった場合、還元率は0.5%で手数料が0.83%となるため、クレジット払いをする事でむしろマイナスになってしまう。

クレジットカードにもよるが還元率1%を超えるカードは多くはないため、あまり考えずにクレジットカード決済をしてしまうと、金銭的にはデメリットとなる可能性が高く、ここは注意が必要だ。

税金を払うのにおすすめのクレジットカード

だがここであきらめてはいけない。

支払い手数料は仕方ないにしても、税金の支払いでも還元率が変わらないカードも存在するからだ。

手数料が約0.83%である事を考えれば、

・1%以上の還元率があり
・税金支払い時も還元率が半減しない

カードであれば、クレジットカード払いによる錬金術が行えるということになる。

では具体的にどのようなカードが対象になるのだろうか?

私が実際に使っている(使っていた)ものとしては、次のようなカードがおすすめできるものとなる(もっといいのがあれば是非教えてください)。

【還元率2%】

ジャックスプラチナカード(年会費22,000円、ラブリィポイント)

【還元率1.5%】

ANA VISAプラチナ プレミアムカード(年会費88,000円、ANAマイル)

【還元率1.125%】

セゾンアメックスプラチナビジネス(年会費22,000円,年200万以上決済で翌年年会費11,000円、JALマイル、年15万マイルまで)

私が実際に利用している(使用していた)のはこの辺りだ。

ちなみに少し前まではラグジュアリーカードも税金で還元率が半減しない優秀なカードだったが、残念なことに先日、ラグジュアリーカードは今後税金の支払いは還元率が半減されることが発表されてしまった(税金以外の支払いが税金の3倍以上あれば税金の還元率が半減しない特例あり)。

その他税金の還元率が半減するカードとしては、

◯アメックスの多くのカード

◯ダイナースの多くのカード

が該当する。そのため、これらのカードは基本的に税金支払いで得をすることはない。

例えばダイナースプレミアムカードは還元率1.5%と高還元なプレミアムカードとして有名だが、税金の支払いが半減してしまうため税金をたくさん払いたい経営者にとっては使いづらい。

また、クレジットカードで得をしたい場合に注意したいのが、カードによって還元されるものが異なる点だ。

カード単純に還元率だけでいえばもちろん2%が一番いいが、上記のカードだけでもジャックスカードプラチナはラブリィポイントでの還元(1ポイント1円換算でDポイントやポンタポイントに交換可能、0.9円換算で楽天ポイントに交換可能)、ANA VISAプラチナプレミアムカードはANAマイル、セゾンアメックスプラチナビジネスはJALマイルに交換とそれぞれ異なる。ラグジュアリーカードは現金のキャッシュバックだった。

ANAやJALマイルは国際線特典航空券と交換など使い方によっては1マイル2円以上になるため、使い道によっては2%還元のカードよりも得になる。

例えば年間8,000万円の納税がある経営者なら、

・ジャックスカードプラチナ 936,000ラブリィポイント(≒936,000円相当)

・ANA VISAプラチナプレミアム 536,000マイル

・セゾンアメックスプラチナビジネス 236,000マイル(実際は年15万マイルが上限)

となる。

年会費を差し引いてもうまく使えば100万相当のメリットを享受することも可能だ。

100万というと経営者にとってはそこまで大金ではないが、ノーリスクでただカード決済をするだけで100万得られるというのはなかなかすごいことだと思う。

ANAプラチナカードは年会費を引けば45万円ほどになってしまうが、ANAマイルを国際線のビジネス、ファーストクラスに当てれば実際の価値としては100万円以上の価値を得られる可能性もある。

そう考えるとやはり侮れない額だと思う。

また上記以外のカードでも、年間に決まった額を使えば特典を得られるものもある。そういうカードの特典目的でカード決済するのもありだろう。

例えば旅行好きに大人気のマリオットボンボイアメックスプレミアムカードは年150万決済すると、翌年に50000ポイント相当までのマリオット系列ホテル(マリオット、シェラトン、ウェスティン、リッツカールトンなど)に無料で泊まれるようになる。時期にもよるがうまく使えば5ー7万ほどの宿泊費が無料になる。さらに400万決済すればマリオット系列ホテルでのプラチナステータスとなり、ラウンジが無料で使えたり、部屋をアップグレードしてもらえるようになる。

似たようなところでヒルトンアメックスカードにも同じような特典がある。

ただ、これらのカードはアメックスなので、決済額で得られる特典は得られるが、ポイントは半減してしまう点には注意が必要。ただ、半分でもポイントがもらえて、かつ特典も得られるの言うことにメリットを感じるのであれば、こういった決済もありだと思う。

手間がかかるが電子マネー決済なら手数料無料&ポイント半減なし

クレジットカードを利用した節税法は上記で説明した通りだが、実は2023年に入ってから更に節税に優れる納税法が出現した。

2023年から、税金を電子マネーで支払えるようになった。電子マネーとは楽天ペイやPayPay、Amazonペイなどだ。

実はこの電子マネー支払い、クレジットカード支払いと違い手数料がかからないという利点がある。

更に電子マネーのうち、AmazonペイはAmazonギフトカードを購入して、Amazonペイで支払える。

これが税金をスマホ決済で支払う際の大きなポイントになっている。まず納めたい税金額のAmazonギフトカードをクレジットカードで購入する。

クレジットカードで直接税金を支払うとポイント半減してしまうものでも、Amazonギフトカードという「物」を買っているので、ポイントは半減せず受け取れる。

そしてAmazonペイで国税を支払うと決済手数料もかからず支払える。

ちなみにAmazonプライム会員であればAmazonギフトカードで購入した金額をAmazonペイで払うと、その1%をAmazonギフトカードとして還元してもらえるのだが、残念ながら国税は対象外だ。

先ほどの年8000万の納税額でいくら還元されるか計算してみよう。

・還元率2%のカードであれば、160万ポイント

・還元率1.5%のカードであれば、120万ポイント

が毎年この決済方法をするだけでもらえるのだ。先ほどのクレジットカードを使った納税よりもかなり還元率があがっているのがわかるだろう。

また、アメックスやダイナースと言った税金払いで還元率半減になるカードでも現時点では半減にならずに納税できる点も大きい。

そうなってくると上記のカードに加えて、次のようなクレジットカードも選択肢に入ってくる。

◯マリオットヴォンヴォイアメックスプレミアム

…3%のマリオットポイント(マリオット系ホテルで1ポイント1円で使用可能。またマイルに変えると最大1.25%の還元率でマイルに交換可能)

◯ヒルトンアメックスプレミアム

…3%のヒルトンポイント(ヒルトン系ホテルで1ポイント0.5円ほどで使用可能)

しかし電子マネー決済は注意点もいくつかある。現時点では次の点が欠点だと感じている。

電子マネー決済の弱点

還元率がいいならクレジットカード決済より電子マネー決済の方がいいじゃないかと思うかもしれない。

もちろん得られる金額的にはその通りだ。しかしなぜクレジット決済の方法も説明したのかというと、電子マネー決済には弱点があるからだ。

その弱点とは、

・手間がかかること

・今後改悪される可能性があること

だ。

電子マネー決済は手間がかかる

実は電子マネー決済は手間がかかる。上記に説明したスキームは確かに有効なのだが、国税の電子マネー支払いは1回当たり30万円までしか支払えない。

そのため300万支払いたいなら10回に分けて支払わないといけないのだ。

毎年所得税の支払いが500万ある場合、17回も支払いをしないといけない。一回の納税は、慣れればスマホで1-2分で終わるとはいえ、これは結構面倒だ。

また、Amazonギフトカードの購入も1回50万までで、これも複数回購入処理を行わないといけない。

あまりに連続で高額を購入すると場合によってはAmazonのセキュリティが作動してロックがかかってしまうこともある。Amazonに連絡すれば解除してもらえるらしいが、納税日が迫っている場合などは間に合わなくなるリスクもある。

ちなみに私の場合はロックがかかることはなかったが、最初の頃はAmazonギフトカードを購入してから実際に反映されるまでに数時間かかっていた。

またカード会社から「Amazonでの50万の購入が頻回に行われていますが、ご自身でされた決済でしょうか?」という不正利用防止のための連絡も一度きた。

頻回に購入を続けていたら、数日後からはAmazonギフトカード購入して5分ほどで反映されるようになり、以後は特に問題は生じていない。

また毎月払う所得税ならまだいいが、法人税など1000万を超えるような税金の場合、気が遠くなるほどの回数納税しないといけなくなるのも大きな欠点だ。

これは私の場合は定期的に税理士に今年の納税額がいくらくらいになるのかを確認している。だいたい中間納税で半額(700〜800万ほど)払うため、毎月100〜200万は余分にAmazonギフトカードにチャージし、法人税に備えている。

改悪リスク

現在、電子マネー納税はまだ始まったばかりだ。どんな方法でも新しく始まったものは抜け穴があるものだ。

電子マネー支払いで節税ができることが広く知られるようになれば、国も当然それを把握するようになる。これは明らかに経営者など高所得者に有利な方法であるから、今後何らかの方法で封じられる可能性は十分ある。

私の現時点での納税使用クレジットカード

私がどのクレジットカードを使って納税しているのかを参考の1つとして紹介する。

方法はスマホ納税を使っている。上記の通り手間はかかるが、とは言ってもAmazonギフトカードも1回50万のチャージはスマホで1分以内にできるし、30万の納税もスマホで1-2分あればできる。

1日の空き時間やちょっとした時間にコツコツやればたいした手間にはならないし、最近は習慣になっている。

使用クレジットカードはだいたいだが、

・マリオットアメックス 年間7200万ほどAmazonペイで納税。マリオット系列で使えるポイントが3%還元されるので216万ポイント(マイルに変えた場合は90万マイル)。加えてマリオットのプラチナステータスと年間1泊無料宿泊特典をもらえる。

・ヒルトンアメックスプレミアム 年間300万ほどAmazonペイで納税。ヒルトン系列で使えるポイントが3%還元されるので9万ポイント。加えてヒルトンのダイヤモンドステータスと年間2泊無料宿泊特典がもらえる。

・ANAプラチナ 年間500万ほどAmazonペイで納税。ANAマイルが1.5%還元されるので7.5万マイル。くわえてかつANAダイヤモンドステータス維持に必要な一要件(年間500万以上決済)をクリア。

というようにしている。これでだいたい出張や旅行に行ってもホテルは無料で泊まれるし、飛行機も無料で取れる(飛行機はさすがに全フライトを獲得マイルで補うのは難しいが)。

クレジットカードの直接納税だとうまみのない、アメックスがAmazonギフトカードを介することで使えるようになるのが大きい。

マリオットボンヴォイアメックスプレミアムカードは宿泊にも非常に使い勝手が良く、またマイル還元率も悪くないので重宝している。

飛行機をANAしか使わないのであれば、ANAプラチナの1.5%還元の方がお得だが、ANAは特典航空券(マイルでもらえる無料航空券)が非常に取りにくい。また特典航空券では普通席しか取れない。

一方でJALは現時点ではANAと比べると無料航空券が取りやすく、またマイルを多く払えばクラスJやファーストクラスもマイルで取れる。

そのため私はJALに交換でき、かつJALマイル交換レートの良いマリオットボンヴォイアメックスプレミアムカードを重点的に使っている。

JALマイルで1%以上の還元率があるカードはほとんど皆無なので。

スマホ納税は手間はかかるし、大きい税金に向けて事前にある程度見通しを立てておく必要はあるものの、今後1年ほどのおおよその所得税、法人税の額などはだいたい把握しているため、それを念頭に毎日支払っている。毎日一回のルーチン作業と思えば数分のスマホ操作で終わるし、今のところ特に苦痛はない。

もし今後会社が大きくなって、納税額が4億5億とかになったらさすがに無理な気がするが、その頃はまた納税による節税スキームも変わってきていると思う。