
毎年8月2日から8月7日は東北3大祭の1つである「ねぶた祭り」が開催される。
楽しみにしている人も大勢いらっしゃり、ねぶた祭の期間の青森は非常に賑わっている。特に青森側はこの1週間に全てをかけてるんじゃないかという気合の入りっぷりだ。
数年前からねぶた祭りを特別席で観れるというプレミアム席が購入できるようになった。
迫力あるねぶたを間近で観れるのはとても貴重な経験になると感じ、思い切って申し込んで鑑賞してきた。
とても感動したので忘れないように記録する。
ねぶた祭りを見に行く事になったきっかけ
夏の東北三大祭りと言えば青森の「ねぶた祭り」、秋田の「竿燈まつり」、そして仙台の「七夕まつり」だが、その中でも一番有名なのがねぶた祭りだろう。
今まで生のねぶた祭りを観たことがなく、いつかは観に行きたいと思っていた。
2024年のねぶた祭のニュースで100万円のVIP席があり、特別席でねぶたを堪能できるというのを観て、予定が合えば観に行きたいと思っていた。
2025年も特別席が用意されると聞き、2024年末くらいからサイトを見たりニュースを調べたり、青森市のホテルを取ったりなど下準備を進めていった。
ねぶた祭り特別席争奪戦
ねぶた祭のプレミアム席はオンラインで席の予約ができる。ただ席によっては争奪戦が凄まじい。
2025年の特別席プレミアム席は3種類あった。
- VIPシート(1組8人) 132万円
- プレミアムシート4名席 前列35.2万円、後列30.8万円
- プレミアムシート2名席 15.4万円
VIP席とプレミアム4名席は枡席のような感じ。VIP席は鑑賞席が高く作られており、巨大なねぶたを同じ目線で楽しめるようになっている。プレミアム2名席は木製の椅子が用意されている。写真を見る限り、プレミアム2名席のしょぼさが際立っていた。
VIP席は2024年は100万円だったが、2025年は132万円に値上げされていた。初めてのねぶたで132万円を出すのはさすがに抵抗があり、一緒にいく友達も8人も用意できないのでプレミアムシート4名席を取ることとした。
今年2025年は、5月8日の昼12時からオンライン上で予約が開始された。すぐにアクセスすれば取れるだろうと考えていたが甘かった。
私と同じように考えていた人は多かったようで、時間ぴったりにサイトにアクセスして予約を試みたものの、個人情報やクレジットカード情報を入れている間にあれよあれよと言う間に席が埋まっていき、プレミアム4名席前列は予約失敗、何とか後列で予約ができた。
ちなみにVIP席とプレミアム2名席は予約できないと言うことはなく、プレミアム4名席だけが異常な人気だった。
「できれば前列で観たかった…」と諦めきれず、その後もちょくちょくキャンセルが出ないかサイトを確認していたが、なかなかキャンセルは出なかった。
しかし特別席は6月30日まではキャンセル無料、それ以降は一切返金不可というルールであったため、6月30日になるとキャンセルが数個出て、そのタイミングでプレミアムシート4名席(前列)の予約を取り直すことができた。
ちなみにVIP席はさすがの金額だからかなかなか埋まらなかったが、徐々に埋まっていき、7月中旬には全ての日で満席となった。数時間の体験に132万円を払える人って結構いるんだね、すごい。
写真で見る限りしょぼい感じが否めないプレミアム2名席は私と同じように感じた人が多かったのか終盤まで空席があった。
ホテル争奪戦
祭りを観に行くに当たってもう2つ重要なのが、飛行機(or電車)とホテルだ。
ホテルもなかなか予約に準備がいる。まず開催日は大分前から分かっているのでホテル側も強気の価格設定をしてくる。
そして青森は地方に行けば良い旅館はあるが、青森駅前のホテルは限られておりいわゆるラグジュアリーホテルや高級ホテルと呼ばれるものは私が見る限りはない。
調べた限りではあるが
- ReLabo Medical Spa & Stay
という、あおもり駅直結のホテルが一番ランクが高いホテルなんじゃないかと思う。大浴場・フィットネスジムも備えており、部屋もスタンダードからスイートまで揃っている。
ただ名前にもある通り、ウェルネスやヨガなどに力を入れている感じでただ泊まりたいだけだと割高な印象は否めない。最上位のスイートルームは普段から1泊20万するみたいで、ねぶたシーズンはとんでもない価格になりそうだ。
後は、
- ダイワロイネットホテル
- APAホテル(2つある)
- ドーミーイン
- リッチモンドホテル
- JALシティホテル
などのいわゆるビジネスホテルがいくつかある。
私が2024年の12月にホテルの予約をしたところ、上記の中で空きがあるのがその時点ですでにAPAホテルのみであり、青森駅前のAPAホテルを取った。
価格はその時点で1泊4.7万円だった(通常時は1泊1万ほど)。
その後しばらくすると青森駅近くのホテルはほぼ満室になってしまった。かなり早めに予約をしたつもりだったが、それでもギリギリだった感がある。みんなすごい。
本当はできれば大浴場とサウナがあるドーミーインに泊まりたかったが、2024.12時点ですでに満室だった。
しかしここもねぶた特別席のキャンセル期限である2025.6.30になると少し動きがあり、いくつかのホテルで空きが出た。ドーミーインにもこのタイミングで奇跡の空きが!
急いでドーミーインを予約し、APAホテルをキャンセルした。
こんな状況なのでかなり高額にしても宿泊客は取れると思うが、2025.6.30時点でドーミーインは1泊4.5万で出しており、高いには高いんだけど比較的良心的に感じた(ドーミーイン青森も普段であれば1万円ちょっとで泊まれる)。
あとは他のホテルでもちょくちょく空きが出ることはあったが、かなりの格安ビジネスホテルでも1泊7万円とか10万円とか、すごい価格設定であった。
フライト争奪戦?
電車か飛行機かで迷ったが、私の自宅は空港からそんなに遠くないのと、青森空港から開催場所の青森駅までバスで30分くらいであることから、飛行機を選択した。
ちなみに電車は東京駅から新青森駅まで新幹線で、そこから新青森駅→青森駅に鈍行で移動となるが、東京から新青森駅まで3時間以上かかり、そこから6-7分ではあるが青森駅まで行かないといけない。かかる時間的に考えれば飛行機のほうが早いと思われた。
飛行機であるが、羽田-青森はANAの運行がない。JALの運行はあるが地方便であるため、ファーストクラスはなく、普通席かクラスJのどちらかになる。
今回はJALのクラスJを選択。ホテルと同じで2024.12に予約した。その時点では空きは十分あった。搭乗券は1人片道4万円とまずまずの値段。安いプランだと通常はクラスJでも片道2万以下で取れるようだがそのプランはなかったのでおそらく売り切れていたのであろう。正規料金に近い値段でのチケット購入となった。
青森空港から青森駅までは空港バスあるいはタクシーの移動となる。バスだと所要時間30分くらいで900円ちょっと。
ねぶたの期間中は混み合うようで、バスに乗れずに次のバスまで待たないといけない方もいた。バスは1時間)に1本くらいしか来ないので、これは結構つらい。
クラスJだと早めに飛行機から降りれるので、すぐに空港バスに向かえばバスに乗れないリスクは少ない。意外なメリットがあった。
ねぶたまつり当日(2025.8.2)
朝に羽田空港まで行き、JAL便で青森空港まで。
そこから空港バスがタクシーで迷ったが空港バスがまだそんなに人が並んでいなかったため、空港バスを利用。青森駅まで一人900円くらい。
昼過ぎに青森駅につき、ホテルに荷物を預けて昼食へ。
街はすでにねぶたムード一色。


青森駅に来た時はいつも「青森魚菜センター」の「のっけ丼」を食べにいくが、この日はものすごい混雑で外に長い長い行列ができていた。さすがに諦めて、それ以外の場所で食べる事に。

青森魚祭センター以外も海鮮系のお店はどこも行列ができていて混み合っていた。さすがねぶた祭り。
ねぶたプレミアムシートは17時半に指定の場所に来るよう言われており、その少し前に街中をぶらぶらしたが、ねぶたが通る大通りの両脇は椅子とレジャーシートでどこも埋まっていた。さすがはねぶた、すごい人出であった。
プレミアムシートは2名席がこんな感じ。

段差は付いているため後部席でも見えないことはない。

4名席がこんな感じ


更にドリンクチケットとフードチケットを人数分もらえるが、自分はお酒飲まないのでドリンクは普通の緑茶1杯で大して特別感はない。
お弁当はそこまで豪華というわけではなく、少し良いお店が出しているお弁当という感じ。ただ、青森の名産が多く入っており、青森の味を楽しめた。

ねぶた祭りは19時半ごろ始まった。VIP席は専属の語り部がいてねぶたの歴史などを詳しく説明してくれるみたい。
プレミアム席でもねぶたが来る前に跳人(はねと:ねぶたでの踊り手をこう言うらしい)のグランプリとった人からねぶたの説明があった。
昔に七夕の風習が外部から伝えられた際、元々地元にあった祭りの風習と融合して生まれたのがねぶた祭りなんだそうだ。
跳人の衣装を着れば、観光客でも跳人として祭りに参加できるらしい。
祭りは21時くらいまであった。迫力と熱気がすごく、あっという間の時間だった。
ねぶたの先頭には音頭を取る人がいるが、プレミアム席なだけあり、ねぶたがこっちに近づいてきてくれるよう誘導してくれることも多く、更に大迫力を楽しめた。さすがプレミアム。
更に上のVIP席はほぼすべてのねぶたがシャッターチャンスを作ってくれており、さすが132万の席という感じだった笑。







あまりの迫力に圧倒され、あっという間に1時間半が過ぎた。とても感動した。
ねぶた祭り観覧にかかった費用
今回一念発起してねぶたを見に行ったが、改めて見ると結構なお金がかかっている。今回は2人で行ったのだが、
- プレミアムシート4名席 ¥352,000
- 飛行機代(2名分往復) ¥163,000
- ホテル代 ¥45,000
- 諸経費(空港からの移動費など) ¥10,000くらい?
合計で57万円。
もちろん貴重な経験が出来たが安くはない。
プレミアムシートなどを予約しないとしてもホテルは普段なら1万以下の格安ホテルでも4万円以上はすると考えておいた方がいい。飛行機も普通席であっても一人往復5万はするだろう。
反対にVIP席を予約していたとしたら、プラスで100万かかるわけなので、約160万円かかることになる。
一生の思い出になるとは思うが、一晩に160万はなかなか…。頑張ってお金を稼いでいつかはVIP席でねぶたを観てみたい。